時短化粧品、家事代行、カフェ…ニーズ広がる
アベノミクスの影響か残業時間が徐々に伸びている。景気回復を喜ぶ一方で、家事や育児に忙しい働く女性にとっては限られた時間をよりうまく使う工夫が求められる。そんな“残業女子”に向けた時短美容の商品や家事代行などのうれしいサービスが人気を集めている。(堀口葉子)
日中は余裕がある店内も午後5時を過ぎると一転、仕事帰りの女性であふれるJR新宿駅東口駅ビルの化粧品専門店「アットコスメストア ルミネエスト新宿店」。同店では初めて、働く女性にターゲットを絞った「残業女子応援コーナー」を7月3日からスタートする。
1万点以上ある店内の商品から売れ筋の時短美容商品をピックアップ。クレンジングから洗顔、化粧水までが1本ですむ「うる落ち水クレンジング ローション」(税込み1050円から)や、化粧水、美容液、乳液を1枚で果たす「オールインワンシートマスク」(同1995円)など12アイテムを並べる。
店舗運営企画部の山口由香利さんは、「女性は忙しくてもきれいでいたいので、簡単にケアできる商品が人気」と話す。
事実、「うる落ち水クレンジング ローション」を販売するマンダム(大阪市中央区)によると、このローションシリーズの売り上げは今年3月期に前期比26%増となり、4月以降も好調を維持している。開発の背景はまさに「帰宅後、面倒なクレンジング以降は一気に済ませたい」という女性社員の声を商品化した。
商品PR室の下川麻友主事は、「メークは油で落とすのが常識だったがリセットした。クレンジングから化粧水までつなげるため、化粧品の成分1万点の中から油を浮かせる成分を探し当てた。結果、化粧水からみつけた成分でつくったクレンジングができたので、ふきとるだけで寝て大丈夫」と話す。
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